仮想通貨とは?
全世界で現在1,000種類近くの仮想通貨が流通しているといわれています。その中でも注目を集めている仮想通貨の一つに、イーサリアムと呼ばれるものがあります。日本の仮想通貨取引所の中でも取り扱っているところが増えているこのイーサリアムにはどのような特徴があるでしょうか。以下で詳しく見ていきましょう。
イーサリアムは仮想通貨の一種のため、基本的な部分に関してはビットコインなどと変わりません。2017年6月現在時価総額は約2兆3,500億円を記録しています。ちなみにビットコインは約4兆4,000億円。ただし仮想通貨全体の時価総額は約10兆円といわれているので、イーサリアムのシェアは約23%となります。
ビットコインと合計すると仮想通貨全体の時価総額ベースで、約67.5%のシェアを占めていることになり、約2/3がこのツートップとなります。こうしてみるだけでも、いかにイーサリアムが仮想通貨業界の中で大きな存在感を放っているかお分かりになるでしょう。
イーサリアムはヴィタリック・ブテリンという方が2013年に設計を始め、2015年ごろから日本国内の仮想通貨取引所でも取り扱うところが出てきました。ちなみに2014年にはスイスにイーサリアム財団という非営利団体が設立され、資金を管理しています。
この仮想通貨の開発は、ETH DEVという開発者によって行われており、このETH DEVは世界中に存在していて、日々開発が進められています。開発者チームはあるものの、ビットコインと同様に、管理する中央集権的な機関は一切存在していません。
仮想通貨の一種という点ではビットコインとは一緒です。しかしその特徴を細かく見てみると、大きく異なる側面があります。ビットコインの場合、決済システムを主としています。一方イーサリアムの場合、アプリケーションを作成するプラットフォームであるため、その部分は異なります。
なのでブロックチェーン技術を利用すれば、だれでもアプリケーションを作成することも可能です。ビットコインでもブロックチェーン技術を活用してアプリを作成することは可能です。しかし作成は比較的難しく、イーサリアムの場合、柔軟な設計となっているため幅広いアプリ作成に対応しているといえます。
イーサリアムのテクノロジーの中でも無視できないものとして、スマートコントラクトがあります。ちなみにコントラクトとは契約のことです。スマートコントラクトはブロックチェーン上に作成できます。これによってブロックチェーン上に取引だけでなく、契約の記録を残せるわけです。これはビットコインのブロックチェーンではできない技術です。ブロックチェーンでは複数のコンピューターによって履歴などを管理しているため、不正ができないシステムになっています。契約自体をこのブロックチェーンの中に記録できれば、契約を改ざんすることも、そのものの消滅を目指すことも不可能となります。
従来の法定通貨の場合、契約を保証するには銀行や登記所、裁判所といった中央機関を通す必要がありました。もしこのような第三者機関の保証を受けるのであれば、手続きに手間取るでしょうし、費用もかかります。しかしこのスマートコントラクト技術を利用すれば、この手間暇をかけることなく契約を記録として半永久的に残せるわけです。このスマートコントラクト技術は、イーサリアムが仮想通貨業界で注目されるようになった理由の一つです。
イーサリアムは今後さらに仮想通貨業界の中で、大きな存在感を放つようになるかもしれません。その根拠になっているのが、マイクロソフトと提携したというニュースです。
イーサリアム・マイクロソフトの連携でプラットフォームにはすでに大手金融機関も参入しつつあります。そのほかにもイーサリアムをプラットフォームのベースにして、いろいろなシステムもどんどん登場しています。日本国内でも取り扱っている仮想通貨取引所も続々出てきているため、これからこの仮想通貨の価値も上昇する可能性は充分考えられます。
ビットコインと比較すると、知名度はあまり高くないかもしれませんが、イーサリアムは決して無視できない存在になりつつあります。一時期別の仮想通貨を経由して不正に抜き取られるという事件が発生して、これを機にイーサリアムクラシックと分裂することになりました。
しかしそれでも近年の動向を見てみると、安定した上昇トレンドで推移しています。マイクロソフトとの連携をはじめとして、さまざまな企業が今後この仮想通貨を使用する可能性が出てきています。もし仮想通貨を使って資産運用をしている、これからしようと思っているのであれば、イーサリアムもチェックしておいて損はありません。