仮想通貨とは?
仮想通貨の中には、ビットコインとともに注目されている種類のものもあります。その中でも近年強い注目を集めているのが、リップルです。世界的な大手IT企業であるグーグルが出資したということで業界では大きな話題を呼びました。これだけの有名企業が出資しているだけあって、それだけ将来性のある仮想通貨といえます。1,000種類以上流通している仮想通貨の中でも、時価総額ランキングでは上位の常連でもあります。
リップルは2013年9月に公開された仮想通貨で、略号をXRPといいます。単位もXRPになります。開発されたのは2004年のことで、Ryan Fuggerというカナダ人を中心に開発されました。
しかし厳密にいうと、こちらは仮想通貨ではありません。仮想通貨をはじめとした金融商品の決済システムを指します。実際に個人間でコインのやり取りをするビットコインとはその部分では若干異なります。
先ほども紹介したように、リップルは金融商品の送金システムです。Issuanceと呼ばれるネットワーク上で行える手形を金融機関が発行します。そしてこの手形交換をすることで国際送金を行うことが目的です。
こちらのシステムは、次世代決済システムの有力な候補としてアメリカなどで注目されています。日本でも同様でメガバンクをはじめとした43の金融機関がシステム採用を表明しているほどです。これは海外の大手金融機関でも同様です。
さらに国際銀行間通信協会というところでも、試験的にシステム導入を進めているほどです。世界経済フォーラムのテクノロジーパイオニア賞を2015年に受賞していて、世界的にも期待度が高いです。
仮想通貨と言えば多くの人がビットコインをイメージすると思いますが、このビットコインには課題もいくつかあります。中でもしばしば指摘されているのが、送金時間の手間取りです。ビットコインは送金手続きが完了する前に10分程度かかります。これは取引の承認作業にどうしても時間がかかるという点です。
それでも銀行を介した取引と比較すると圧倒的なスピーディさです。一方リップルの場合、送金完了するまで数秒程度、ほぼリアルタイムで取引が反映されます。これはリップル・コネクトというオリジナルの海外送金ソリューションが国際間の取引を瞬時に処理できるからです。
数秒で取引が完了するとなると、ビットコインと比較してかなりスピーディです。これが実現できる要因の一つに、リップルの開発したオリジナルのコンセンサスシステムが関係しています。従来のハッシュ値を求める計算なしで、特定の承認者たちによって取引記録の合意を得られれば、その新規取引が記録されます。
この承認者になるには条件があって、不正な取引でだまそうとするような人は対象外になります。ちなみにこのコンセンサスのプロセスは5~10秒程度で完了します。ビットコインのように数学的な計算処理の必要がないため、このようにスピーディに取引が実現できるわけです。
ビットコインはオンライン通貨としては単一です。しかしリップルの場合、ブリッジ機能といって橋渡し的な役割を果たす仮想通貨です。このためドルやユーロ、円などの法定通貨のほかにビットコインやイーサリアムなどのほかの仮想通貨との交換も可能です。
いわばXRPは中間通貨のような働きがあります。このため、通貨の種類に関係なく数秒で送受信手続きが完了します。ちなみに同一ウォレット内で、円→XRP→ユーロという形で両替もできます。通貨の交換がスムーズになるわけです。
リップルのシステムは大手金融機関でも導入を始めていることはすでに紹介した通りです。それはスムーズな取引が実現できるからです。これまでの銀行取引では数日かかるのが普通でしたし、どんなに早く行っても数時間はかかります。それがリップルであれば、10秒程度で取引を完了できます。
このようなことも関係して、これまでのシステムと比較してコストを大幅に削減できるからです。また、コストに関しても従来のシステムと比較すると、リップルのほうが1/10程度にコストを圧縮できるといいます。これは利用者にとってもメリットがあります。国際送金の場合、為替レートを基にするとはいえ、銀行それぞれで決めています。するとどうしてもお客さんにとって不利な条件となりがちです。しかしリップルであれば、お客さんにとって有利なレートの採用される可能性が高いです。
このようにビットコインと比較すると、リップルはまだ知名度は高くないかもしれません。しかし大手金融機関や世界的なIT企業が積極的にかかわっているため、仮想通貨で資産運用するのであれば、着目しておいて損はない存在といえます。時価総額でも仮想通貨3位に位置していますから、トレードしている方も多いです。