仮想通貨の億り人は昔の話?実際に稼いだ額から現在の実態を解説します。 | どこよりも使いやすく、どこよりもわかりやすく「Bit Journal」

仮想通貨の億り人は昔の話?実際に稼いだ額から現在の実態を解説します。

仮想通貨の億り人は昔の話?実際に稼いだ額から現在の実態を解説します。の画像

2017年、ビットコインの価格高騰をキッカケに、1億円以上の資産を築くことに成功した人、いわゆる億り人に注目が集まりました。

当時、仮想通貨へ投資をした人が続々と億単位、もしくはそれに近い資産を作ることができたということで、様々なメディアが億り人をクローズアップ、ネット上でも話題になりました。

そんな2017年とはうって変わって、2018年以降、仮想通貨で億り人になれたという成功話を聞かなくなりました。

当時、仮想通貨で億り人になれたという方が多くいたはずなのですが、彼らは一体どこへ消えてしまったのでしょうか? 

目次

確定申告をした億り人の人数は?

仮想通貨だろうと、投資によって利益を得た以上、確定申告の義務が生じます。この確定申告をした人数を計算することで、当時億り人になれた人の人数を把握することができます。

では2017年、仮想通貨の価値がもっとも上がった時、どれくらいの人数の人が億り人として申告したのかというと、その数は意外に少なく、たったの331人でした。

300人以上の人が、仮想通貨への投資で1億円以上の資産を築いたというのであれば、それはそれで凄い話です。もっとも、仮想通貨の利益は雑所得に区分されるので、1億円稼いだとしても、実際に懐に入る金額はその半分以下となるでしょう。

それでも5000万円以上の資産は残るでしょうから、十分に驚嘆に値する数値です。

ただ、当時億り人になれたという話がネット上に多くあったのですが、その割合から考えると、331人という数字は、いささか少ないように感じられます。

この疑問を紐解く上で、まず仮想通貨の税金の仕組みについて知っておく必要があります。 

確定申告をした億り人が少ない理由は節税のため?

仮想通貨に限らず、一定額以上の雑所得が生じたのであれば、確定申告の義務が生じます。

利益があったとしても、少額であれば本来は確定申告の義務はありません。もっとも、今回は億り人を対象としているので、普通に考えたら億り人全員が確定申告の対象になるように思われます。しかし、実際にはそんなことはありません。

というのも、確定申告で計上すべき利益とは、確定した利益であり、含み益ではないからです。

例えば、ビットコインの価格が1万円の時に100枚のBTCを購入するとします。その後、ビットコインの価格が200万円まで値上がりした場合、1億9999万円もの利益が生じます。

200万円まで値上がりした直後にビットコインを売却し、日本円に戻せば、利益が確定するため、確定申告の義務が発生します。

しかし、ここで売却をせず、ビットコインのまま放置をすると、それは1億9999万円の利益は確定せず、含み益のままとなるので、確定申告の対象ではありません。

2017年当時、ビットコインへ投資をすることで億り人になれた人は多くいたことでしょう。しかし、当時はまだ雑所得扱いのため、その時点で利益確定をすると、半分以上の利益が税金として取られる予定でした。

億り人の中には、税金としてもっていかれることを嫌い、利確をせず、含み益のまま放置をしたという方も多くいたことでしょう。

そのため、1億円以上の確定申告をした人の数が意外にも少なかったとしても、それは驚くようなことではありません。

おそらくですが、億り人の中には生活に必要な額だけ決済し、その分だけ確定申告をしたという方が多くいたことでしょう。

というのも、雑所得の税率は、利益の額が低くなればなるほど、税率が下がるように出来ているからです。

1億円もの利益を申告すると、所得税で45%もの利益が税金としてもっていかれます。しかし、雑所得の額が195万円以下になるようにビットコインを一部売却すると、所得税の税率が5%まで減ります。

今後、毎年195万円未満になるように利益確定をしていけば、億り人は本来であれば45%もの税金を払わないといけないところを、たった5%で済むので、かなりの節税になります。

億り人ともなると、税金の勉強もしていることでしょう。なにより、2017年末の時点において、多くの投資家がビットコインはまだまだ上がるだろうと予想していました。

そのようなタイミングにおいていきなり全額決済をして多額の税金を払うよりも、少額だけ決済して税金を安く抑え、将来に向けてビットコインを保有しようと考えた人は、きっと多くいたことでしょう。

このような背景があるからこそ、確定申告をした億り人の人数がたった300人程度だったとしても、それはおかしいことではないのです。 

億り人は本当に沢山いたのか?

ビットコインへの投資で億り人になれたとしても、含み益のままであれば確定申告をする必要はありません。含み益のままにすることで確定申告をしなかった、もしくは一部の利益しか確定申告では計上しなかったという億り人はきっと多くいたことでしょう。

そのため、実際の億り人の人数は331人だけということはないでしょう。おそらくですが、本当の億り人の人数はもっと多いはずです。

ただ、そのような含み益のまま放置をしているという隠れ億り人の人数を足したとしても、本物の億り人の数はそれほど多くはないでしょう。

もちろん、300人という人数も十分に沢山と呼べる数値です。ただ、当時のネットの熱狂ぶりから考えると、300人という数字は少ないです。

おそらくですが、億り人と呼ばれていた人の中には、自称億り人で、実際には億単位のお金は稼げなかったという人も多くいたはずです。

では、一体なぜそのような嘘をつく人がいたのかというと、それは億り人と偽ることで利益を得ることができたからでしょう。当時、億り人を自称する人に限って、アフィリエイトをしている人が多くいました。

要するに、自称億り人な人達は、仮想通貨へ投資をすれば儲かる、億り人になれるという触れ込みで、仮想通貨取引所の宣伝をしていたということです。

もちろん、ただ仮想通貨取引所の案内をしても、口座を開設するには至らないでしょう。そこで役に立つのが、億り人という肩書です。

ビットコインに投資をしたら億り人になれた、今のうちに投資をすれば誰でも億り人になれるという勧誘文句を見れば、誰だって仮想通貨への投資に興味を抱くはずです。中には、自称億り人の言葉を真に受け、仮想通貨取引所の口座を開設してしまった人も多くいたことでしょう。

たとえ本人が億り人ではなかったとしても、当時テレビや雑誌で億り人が話題になっていました。ネットで検索をすれば、実際に億り人になれたという人の情報を知ることもできたでしょう。本人が億り人だという証拠がなくても、周りの状況証拠のおかげで、簡単にアフィリエイトを成功させることができたのです。

アフィリエイター本人が億り人ではなかったとしても、実際に億り人になれたという人達が多くいたわけですから、中にはそのような情報を信じて口座を開設した人もいたことでしょう。

ユーザーがアフィリエイトリンクを介して口座を開設すれば、アフィリエイターに報酬が入ります。その報酬を稼ぐために、アフィリエイターは、「仮想通貨へ投資をしたら億り人になれた」と嘘をついてネット上で宣伝していたのです。

2017年当時、ネット上には億り人が溢れかえっていました。その中には本物の億り人もいたのでしょうが、大部分はアフィリエイト目的の自称億り人、つまり嘘の億り人であった可能性がとても高いです。

それを証明するかのように、2018年にビットコインが暴落し、仮想通貨へ投資をしても稼げないということが周知の事実になって以降、ネット上から自称億り人な人達の数が急速に減り始めています。 

億り人にはなれるのか?

確実な統計がないのでなんとも言えませんが、2017年当時であっても、実際に億り人になれたという人の数はそれほど多くはなかったはずです。

億り人の多くが自称であり、そのほとんどがアフィリエイト目的のデマだったはずです。では、億り人になることは不可能なのかというと、そんなことはありません。

確かに数は少なかったのですが、それでも300人以上もの日本人が億単位の資産を築けたと税務署に申告しているわけですから、仮想通貨への投資で億り人になることは出来るのでしょう。

問題は、どうすれば億り人になれるのか、その方法です。

2018年以降であっても、仮想通貨への億り人になることは、理論上は可能です。

2月の60万円台まで暴落した時にビットコインを買い、3月の120万円台で売る、4月の70万円台で買い、5月の100万円台で売る、6月の60万円台の時に買い、7月の90万円で売る、このように安く買い、高く売るのサイクルを繰り返していけば、2018年以降であっても億り人になることはできました。

ただ、このようなレンジ相場で稼ぐためには、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の知識と経験が不可欠です。現在の仮想通貨相場は、2017年のような、とりあえずビットコインを買えば儲かるという、素人でも稼げる相場ではありません。

実際、2018年以降、ビットコイン相場で稼ぐ投資家の多くが、株や為替、先物などの分野で結果を出してきたプロばかりです。

ビットコインの現在の相場は、素人でも勝てる相場から、プロでないと勝てない相場へと移行しているのです。

今後、素人のままビットコインへの投資で億り人になることは難しいでしょう。仮想通貨への投資で億り人になるためには、プロの水準に匹敵するだけの知識と経験が不可欠です。

その他の記事一覧