仮想通貨とは?
アービトラージという言葉をご存知でしょうか?取引用語のひとつであり、裁定取引とも呼ばれるものです。投資を行うなら身に付けておきたい知識のひとつで、仮想通貨にもアービトラージを取り入れることが可能です。ここでは仮想通貨におけるアービトラージについて説明します。
アービトラージはリスクの少ない取引方法といわれています。同等の価値を持つ複数の商品を比較して、価格差ができたら割高な方を売って割安な方を買います。価格差が少なくなった時点で今度は反対の売買を行うと、差額から収益を得ることができます。安く購入したものは高く売り、高く売ったものは安く買い戻すという仕組みです。
多額の資金を投じれば、その分収益も増えます。そのため機関投資家が大きな利ザヤを稼ぐために行うことが一般的であり、マーケットへの影響も大きくなります。アービトラージが積極的に行われることで、市場の歪み解消に繋がるという考えもあります。
仮想通貨でアービトラージを行う場合には、一般的に複数の取引所に登録して行います。仮想通貨は、取引所によってレートが異なるので価格差が生じます。そのため価格差が生じたときに、安い方で購入したものを高い方で売却すればその差額で利益をだすことができます。すぐに売買を行うことで相場環境に影響されず、損益をだすリスクが低くなります。
価格差は1万円単位で発生することが珍しくありません。値動きを予想する必要がなく難しい知識が必要ないので、誰でも実践しやすいというメリットもあります。
リスクが少なく、一見するとメリットしかないように見えるアービトラージにデメリットはあるのでしょうか?まず、大きな額を儲けるのには向かないということです。購入したときから大きく値上がりしたタイミングで売買すれば大きな利益を得られますが、アービトラージではそのような利益の出し方ができません。収益を増やすには、投資額を増やすことになります。
また価格変動を常にチェックする必要があるのもデメリットといえます。自動プログラムによって売買を行っているひともいます。自動プログラムによる素早い取引には負けてしまう可能性があります。また取引所によっては手数料で儲けが減ってしまいます。少額から利益を出すアービトラージでは思うような儲けがでない可能性もあります。素早く売買を行わなければ、売却までに価格変動が起きて利益をだせないリスクもあるでしょう。仮に購入したあと価格が下がってしまった場合、売却しなければとりあえず損益はでません。それでもいつまでも保有しているだけでは利益が出ないため、どこかうまいタイミングで売却する必要が出てきます。
しかしこのようなデメリットやリスクは、取引方法の工夫や便利なツールの導入で減らすことができると考えられます。
仮想通貨のアービトラージを始めるには、まず取引所に登録します。先ほども述べた通り、違う取引所のレートを見比べて行うため、少なくとも2個以上の取引所を利用する必要があります。複数の取引所に登録しておくことで比較対象が増えるため、取引を行うチャンスが増えることになります。
取引所の登録は無料でできます。信用性と安心度の高い大手取引所に登録しておくとよいでしょう。取引所ですべての機能を利用するためには、運転免許証や健康保険証などを使って本人確認までする必要があります。本人確認には時間がかかる取引所もあるので、登録時には身分証明まで済ませておくと後々スムーズです。
次に仮想通貨を購入するための日本円を取引所へ入金します。アービトラージでしっかりと収益を出したいと考える場合には、多めの金額が必要になります。ここまでがアービトラージを始める準備となります。
実際に購入を行うために、各取引所のレートを確認します。そして価格差の大きいものを見つけたら、素早く購入と売買を行います。レートを常に監視して価格差をチェックするのは大変です。そういときには価格差が生じたときに通知をしてくれるツールがあるので、それを利用するとチャンスを逃しにくくなります。
アービトラージのデメリットに、売買を行っている間の価格変動リスクがありますが、これを減らす方法として同時売買という方法があります。事前にそれぞれの取引所でコインを購入しておきます。価格差が生じたときに、レートの高い方ではコインを売却し、レートの低い方では同時に同量のコインを購入します。こうすることで保有するコインの量はそのままに、価格差分が収益となります。
投資で収益を得ようと考えた場合、価格が下がってしまうリスクがあります。アービトラージにはそのようなリスクがありません。デメリットやリスクがまったくないというわけではありませんが、上手に行えばそれも大分減らすことができるでしょう。コツコツと収益を上げていきたい人に向いている取引方法です。